ももベルのトラベルぶろぐ

ドイツ生活や人生という名の旅の記録。

父の一周忌と、春を待つ楽しみと。

 

2026年2月15日(日)。

父が亡くなって、丸一年が経った。

 

ちょうど一年前の今日、

心が張り裂けるような辛い瞬間を迎えた。

 

緊急で一時帰国し、父に付き添い、

その十日後、家族みんなで彼を看取った。

 

父と過ごした最期の時間は一瞬で、

けれど、あまりにも重く、

永遠のようにも感じられた。

 

それなのに、「一年」という月日は、

想像していたよりも遥かに早く、

静かに過ぎ去っていった。

 

その速さに救われる自分がいる一方で、

父が「過去の人」になっていく現実に、

どうしようもない寂しさが込み上げた。

 

父が亡くなる数日前、

夢に父が現れたことがあった。

 

現実では、歩くことも、話すことも、

まばたきさえできなくなっていた父が、

 

夢の中では杖をつきながらも、

自分の足で歩き、言葉を発していた。

 

エレベーターで上へ向かおうとする

母や筆者に向かって、

「先に行っとくね」と告げて、

 

一人だけエレベーターには乗らず、

別の方向へ歩いて行った。

 

思ったより元気そうな姿に、

目覚めた直後は安心していたけれど、

 

後になって、

あれは別れの合図だったのだと知った。

 

 

亡くなった後も、

父は何度か夢に出てきたり、

 

ふとした瞬間に、

その存在を思い出すことも多い。

 

ただ、悲しみは確かにあるのに、

いまだに実感が追いつかない瞬間もある。

 

以前、海外在住の方が

「海外で遠く離れている分、親が亡くなった実感が人一倍持ちにくい」

と話されていたのだけれど、

本当にその通りだと思う。

 

だから、写真を見返したり、

自分のブログを読み返しながら、

現実と心をそっと擦り合わせることもある。

 

ただ、ここ数週間は、

「もうすぐ一周忌か」と思うたびに、

静かな寂しさに包まれていた。

 

ブログで父のことを書くと、

「素敵なお父様ですね」と

声をかけていただくこともあるけれど、

 

実際のところ、

“理想的”な父親ではなかった。

 

生き方が上手とは言えず、

怒りっぽくて、せっかちで、

どこか不器用な人だった。

 

物心ついた時からずっと、

尊敬とは程遠い存在だった。

 

全てが父の責任ではないけれど、

家庭の空気は

穏やかとはかけ離れていたし、

 

実家に住んでいた

学生時代から20代半ばにかけて、

家に帰るのが憂鬱な日も多かった。

 

楽しい出来事があっても、

帰宅と同時に、玄関の前で

気持ちが沈むことも度々あった。

 

「早く家を出たい。」

そんな思いを抱えたまま、大人になった。

 

 

それなのに——

 

誰かに父のことを悪く言われると、

ものすごく腹が立って、守りたくなった。

 

ある時期から、父を否定するのではなく、

理解したり、知ろうとする自分がいた。

 

そんなふうに過ごしていると、

「ありがとう」と返してくれたり、

 

向こうからの「ありがとう」の数が増え、

父の笑顔も増えていく感覚があった。

 

相手に求める前に、自分が変わること。

父との時間で、そんなことを学んだ。


そしてそんな父は、コンビニへ行くたびに

お菓子やジュースを買ってきてくれた。

 

「何もいらんよ」と言っても、

結局は何かしら買って帰ってくる

…...それがお決まりのパターンだった。

 

「じゃがりこが好き」と言えば、

いろんな種類を買ってきたり、

 

「これ、新発売やで」と

嬉しそうに差し出してきたりもした。

 

動物が好きで、

動物にもよく好かれた人だった。

 

寝てると毛布をかけてくれたり、

自転車にいつも空気を入れてくれたり、

 

仕事終わりやお出かけの際に

車で送り迎えをしてくれたりもした。

 

何か頼みごとをすると

「しゃあないなぁ」と言いながら、

対応してくれる優しい父だった。

 

そして、笑うと目がなくなるような、

優しい笑顔をする人でもあった。

 

料理は得意ではなかったけれど、

父がよくお昼に作ってくれた

チャーハンはいつも美味しかった。

 

嫌いになろうとしても、なれなくて。

むしろ、とても大切な存在だった。

 

一緒に過ごしてきた大半の時間は

つらいことの方が多かったのに、

父を思い出すと「愛されていた」と感じるし、

 

いつもムスッとしていたのに

頭に浮かぶのはクシャッとした、

あの笑顔で。

 

嫌なところもいっぱいあったけれど、

感覚が似ている部分もあって、

それも時々嬉しいなと思った。

 


一日早いけれど、昨晩、

日本にいる母の元へお花を贈ったら、

 

「こんなに立派なお花贈ってもらえて、お父さんめっちゃ喜んでると思うよ」

と電話越しに言ってもらえて嬉しかった。

 

命日である今日は、

ドイツの家でもささやかながら

お供えをしたり、手を合わせた。

 

大晦日から氷点下十度近い日が続き、

珍しく雪が長く残り、

道も凍る日が続いていた最近のベルリン。

 

16年ぶりの寒さを記録したこの冬は、

2月15日の今日も

まだ寒い日は続いているけれど、

 

陽の光を感じられる時間も増え、

少しずつ春の兆しが見えてきた。

 

ここ数年、寒い季節に

大切な家族を見送ってきたので、

 

春へ向かうこの時期は、

少し寂しい季節になってしまったけれど、

 

寒さと悲しみを乗り越えて迎える春は、

きっと、強く、温かく、

やさしいものになると信じている。

 

だからこそ、

季節が巡ることを楽しみにしながら、

これからを過ごしていけたらなと思う。

 

父、

いつも見守ってくれてありがとう。

 

 

本日もお読みいただき、ありがとうございます。

皆様の素敵な一日を願って。 by ももベル

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