2019年の春、私は夢を現実にした。
コツコツ仕事を頑張って、貯金して、
7年越しで「海外に住む」という
自分の中での大きな夢を達成したのだ。
移住先はずっと行きたかった英語圏ではなく、
大切なパートナーの母国ドイツ。
彼の育った背景について知りたかった私は、
ドイツという土地に足を運ぶことを決めた。
学びたかった英語圏ではなかったけれど
知らない土地での生活が楽しみだったし、
実現できたことがとても嬉しかった。
渡独後の数ヶ月は、
「今まで頑張ったんだから、しばらくは休んでね」
というパートナーの言葉に甘えて、
自分の体を休ませたり、
ドイツという地に慣れることに集中した。
それからしばらくして、
今後どうしていくのかを考え始めた。
正直、その時間がとても難しかった。
ドイツ語も話せないし、
体力的にも、自分の喉的にも、
外で働くことに限界を感じていたので、
とりあえず語学学校に通うことにした。
語学学校に通うと決めたものの、
本当はめちゃくちゃ不安だった。
うまく声が出るのか心配だった。
緊張するとグッと喉が閉まって、
いつも以上に声が出しにくくなるから。
でも、友達が欲しかったから、
勇気を出して語学学校に行ってみた。
頑張って丸一日授業を受けてみたけど、
私にはとても楽しめる環境でも、
集中して勉強できる環境でもなかった。
授業が終わった後、
「また明日ね」というクラスメートの声に、
明日はないと感じながらも
「うん、また明日!」と返事をした。
すごい疲労感を感じながら、
彼の待つ家にトボトボ帰宅した。
授業を終えた安堵と、
いろんな不安やストレスからか、
彼の顔を見た瞬間にめちゃくちゃ泣いた。
その時…いろんな気持ちを感じた。
スムーズに話せない自分への悔しさや、
喉を理由に色んなことを言い訳をする私、
全て自分に対しての”負の感情”だった。
たった一日、
でも、私にとっては大きな一日。
「とりあえず頑張った」と自分に言い聞かせ、
その日を境に私は学校に行かなかった。
それでもドイツ語は話したかったし、
自分の友達も欲しかった。
だから、近所の本屋さんで絵本を買って
毎日何時間も机に向かったり、
スーパーに行くまでの道のりを
ドイツ語だけで会話したりした。
最初はドイツ語を5分間話すのも
ものすごく大変だったけれど、
そんな日々を繰り返していたら、
「えっ、3ヶ月でそれだけ話せるの?」と
驚かれるぐらいにまで上達した。
そこから徐々に、友達探しを始めた。
バイトもしていなかったし、
学校にも行っていない私は出逢いが少なく、
語学のアプリを使って友達探しをした。
会う人会う人、笑顔が素敵で、
本当にやさしい人ばかりだった。
ただ…
簡単に繋がれるネット社会だからこそ、
その分繋がりが切れやすく、
友達作りはなかなか苦戦した。
それでも、みんなとの出逢いは、
私のドイツ生活に彩りを添えてくれた。
いろんな人と交流する中で、
「普段何をしているの?」という何気ない問いに
「何て言おうかな…」と、いつも戸惑った。
そして、そんな自分に嫌気がさしていた。
だから、私はとある方法で、
自分に出来る事や仕事探しを始めた。
それが、まさか…今の自分に繋がるとは。
>>続く
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